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相続でもめないための生前対策(終活・遺言書作成)

皆さんは、「相続」と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか。

親族間のもめごとの発端という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな相続でのもめごとを防ぐためにできる終活・生前対策について、詳しく解説していきます。

相続でもめる理由

相続でもめる理由には以下のような理由があります。

 

⑴高額な生前贈与

相続人に対して生前贈与が行われた場合、相続分の計算に際しては、生前贈与を受けた分が「特別受益」となり、その分遺産の相続分から差し引かれることとなります。

もっとも、被相続人の方(=お亡くなりになった方)がこの差し引きを免除していた場合には、差し引かれることはありません。

そのため、この免除があったかどうかといった点や、そもそも生前贈与ではなく売買契約であったのであり、差し引かれるべきではないといった点などに争いが生じる場合があります。

 

⑵遺言書がない、または、遺言書の内容が不公平、不適切であった場合

相続は、被相続人の意思を最大限尊重して行われる手続きであることから、遺言書がある場合には原則としてその遺言書の内容に沿って相続手続きが行われることとなります。

もっとも、遺言書の内容が、法定相続人の方が遺産相続の際に主張することのできる最低限の取り分である遺留分を侵害している場合や、不公平な内容である場合には、もめごとが生じる場合があります。

また、そもそも遺言書が存在しない場合には、相続内容を決定するための基準となる被相続人の意思がわからないため、もめごとに発展しやすくなります。

遺言とは

遺言とは、自身の最期に備え、生前有している財産を誰にどのくらい承継させるかといったことを意思表示した文言や文章のことをいいます。

そして、この遺言を書面にしたものが遺言書です。

主な遺言の作成方法としては、⑴公正証書遺言、⑵自筆証書遺言、⑶秘密証書遺言の3種類があります。

以下、それぞれの方法について詳しく解説していきます。

 

⑴公正証書遺言

公正証書遺言は、公証役場において、証人や公証人とともに作成する遺言です。

公証役場において厳重に管理・保管されることから、遺言書の紛失や破棄・隠匿のリスクがなく、また、専門家である公証人が遺言作成に立ち会うことから、形式不備を理由として遺言が無効となることを防止することができます。

 

⑵自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言者が紙に遺言の内容を自筆し、署名押印をして作成する遺言書のことをいいます。

 

⑶秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言者が遺言の内容を記載して署名押印した書面を封筒に入れ、遺言書中で使用した印章と同じものを使用して封印し、これを公証人と2名の証人に提出した後、公証人がこの封筒に、その日の日付や遺言者から聞き取った遺言者の氏名・住所などの情報を記載し、遺言者および証人と署名押印をすることによって作成する遺言書のことをいいます。

相続でもめないための生前対策

相続でもめないためには、生前対策として、適切な形式・内容の遺言書を作成しておくことが重要です。

以下、どのような遺言書を作成するべきかについて、形式面と内容面に分けて説明します。

 

⑴形式面

遺言書を作成する上でもっとも重要なのは、適切な形式で遺言書を作成することです。

せっかく作成した遺言書が無効となることのないよう、規定の形式を守って遺言書を作成するようにしましょう。

この点、公正証書遺言は専門家の立ち合いの下で作成することから、遺言が無効となる可能性は限りなく低いといえるでしょう。

そのため、もめごとを避けたい方は、公正証書遺言を作成することをおすすめします。

 

⑵内容面

相続でもめないためには、不公平ではなく、また、遺留分を侵害しない内容の遺言を作成する必要があります。

このためには、まず、相続人が誰かをまず調べ、それぞれがどの割合で遺留分を有しているのかを確認する必要があります。

これらの確認が終わった後は、自身が保有する財産について、遺留分権者の最低限の取り分を下回らないように注意しながら、相続人となる方との生前の関係なども踏まえて、分配内容を決めていきましょう。

相続に関することは弁護士 澤田 亘(弁護士法人穂高)におまかせください

今回は、相続でもめないための生前対策について解説していきました。

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経歴
  • 平成 5年
    兵庫県立姫路西高等学校卒業
  • 平成13年
    京都大学法学部卒業
  • 同年11月
    司法試験合格
  • 平成15年
    司法修習終了(56期)
  • 同年10月
    大阪弁護士会弁護士登録
    弁護士法人穂高 入所

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