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債務整理の手続きはどのような流れで進むのか

債務整理を考えている方は、どのような流れで進むのかを知りたいという方が多いと思います。

当記事では、それぞれの債務整理についてどのような流れで進んでいくのかについて説明していきます。

全ての債務整理に共通する流れ

債務整理をする際には、まず弁護士に相談をすることとなります。

任意整理、個人再生、自己破産のいずれの手続きを利用する場合であっても、弁護士が実際に着手するまでの流れは共通しています。

 

①弁護士に相談・依頼

まず弁護士に債務整理の相談を行います。

弁護士は相談者から債務の状況について話を聞いて、どの債務整理手続きが適しているかを判断し、提案をします。

ここで、利用する債務整理手続きが決定し、報酬の額などに納得ができた場合には、その場で弁護士と委任契約を締結することとなります。

 

②受任通知の送付と取引履歴の開示

弁護士への依頼が決定すると、弁護士は債権者に対して受任通知を送付します。

この受任通知は今後依頼者の債務に関する連絡の窓口は弁護士になるということを通知するものとなっており、送付後は一度債権者からの督促がストップすることとなります。

 

そのため、督促が止まっている間は返済義務が発生しないため、返済に充てていたお金に関しては生活費に利用したり、弁護士への報酬に利用したり、自由に使うことが可能となります。

 

また、受任通知の送付と同時に取引履歴の開示も要求します。

ここで過払い金がある場合には過払金返還請求を行うこととなります。

 

以後の流れについては、ここまでの流れを前提に各手続きに応じて解説をしていきます。

任意整理の流れ

①和解案の作成・送付

任意整理を利用した場合、取引履歴の開示後は返済条件を定める和解案を作成することとなります。

具体的な内容としては、利息のカットと返済期間についてです。

任意整理では原則3年で返済をしていくこととなりますが、3年以内に子どもの入学など出費がかさんでしまうイベントがあるような場合には、最長で5年まで期間を延ばすことが可能となっています。

 

②和解交渉

作成した和解案をもとに各債権者と交渉を行なっていきます。

分割の回数や利息のカット、また将来利息や遅延損害金のカットにまで応じてくれるかどうかは債権者によって異なります。

 

③和解成立

和解が成立した場合には、債権者との間で和解契約を締結することとなります。

もし和解契約の通りに返済ができなかった場合には、債務不履行責任を負ってしまい、一括で返済を求められてしまいます。

逆に債権者の側としても、和解の内容を破って一括で支払いを求めてきたような場合には、この和解契約の内容を主張して一括払いを拒否することが可能となります。

個人再生の流れ

①収支・財産の調査

個人再生を利用した場合、取引履歴の開示後は個人再生で減額した借金を返済する能力があるかを確認するために、財産の調査を行うこととなります。

また、個人再生には所有している財産の額によって返済する額が変わる場合もあるため、その調査も兼ねています。

 

②個人再生申立書の作成と申し立て

調査が終了すると、個人再生申立書の作成を行うこととなります。

個人再生には小規模個人再生と給与所得者再生の2種類があり、調査した収支や財産の結果からどちらの手続きが適しているかを判断し、裁判所に提出する書類を作成します。

 

書類の準備ができたら、裁判所に申し立てを行います。

申し立てが受理された場合には、個人再生委員が選出されます。

個人再生委員は収支や財産の確認、再生計画案に関するアドバイスを行う人たちのことを指します。

 

③履行テスト

申し立てから1週間程度で債務履行テストが行われます。

これは債務者が減額後の借金を返済する能力があるかどうかを確認するためのテストとなっています。

 

具体的には、個人再生委員が指定した銀行口座に再生計画案での弁済予定額と同額を6ヶ月間にわたって支払っていくものとなっています。

 

ここで支払ったお金の一部は個人再生委員の報酬となり、残りは債務者に返還されます。

 

④個人再生手続きの開始

履行テストが終了すると、個人再生委員が手続きを開始するかどうかの判断をし、裁判所に意見書を提出します。

裁判所は意見書から審査を行い、妥当と判断された場合には個人再生手続きが開始します。

 

⑤債権の届け出と調査

手続きが開始されると、裁判所は各債権者に個人再生手続きの開始決定書と債権届出書を送付します。

これによって借金の返済額の確定を行います。

 

各債権者から届出書が揃うと、債権認否一覧表を提出します。

これは債権届出書の内容を認めるかどうかを示すための書類となっています。

 

⑥再生計画案の作成

再生計画案では減額後の借金の総額、返済の開始時期と期間、返済の方法、住宅資金特別条項を利用するかどうかを記載するものとなっています。

 

この再生計画案が期限までに提出されなかった場合は手続きが廃止となるため、注意が必要となります。

作成された再生計画案は裁判所と個人再生委員に提出します。

 

⑦再生計画案の決議

再生計画案の提出後は決議に移ります。

なお、給与所得者再生の場合には決議が行われないため、そのまま次の手順に移ります。

 

決議では、個人再生員が裁判所に対して書面決議を行うかどうかの意見書を提出し、裁判所は意見書をもとに書面決議を行うか意見聴取を行うかの判断をします。

 

書面決議が行われる場合には、債権者もしくは債権総額の過半数の不同意がある場合には、手続きが廃止となります。

 

⑧再生計画の認可・不認可

最後に裁判所によって再生計画の認可と不認可のいずれかが決定されることとなります。

 

決定した結果は弁護士や債権者に認可決定書として送付されます。

 

再生手続き完了後は、再生計画に基づいて返済がスタートします。

自己破産の流れ

①収支・財産の調査

自己破産を利用した場合、取引履歴の開示後に収支と財産の調査を行います。

自己破産には同時廃止と少額管財という2種類の手続きがあり、財産の状況によってどちらの手続きになるのかが決まります。

 

②自己破産申立書の作成・申し立て

収支や財産の状況に関する資料をもとに、破産手続き開始・免責許可の申立書を作成し、裁判所に申し立てを行います。

 

裁判所に申し立てを行った際に、債務者が依頼した弁護士と担当裁判官の間で面接が行われます。

この面接にて、債務者の状況を説明し、同時廃止か少額管財のいずれかが決定することとなります。

 

③破産手続き開始決定

申し立て後の弁護士と裁判官の面接が終了後に、裁判所が破産手続きの開始決定を行います。

ここで同時廃止手続きが採用された場合には、破産手続きの廃止決定も行われることとなります。

そのため、同時廃止事件となった場合には9.の手続きに移ります。

 

④【少額管財】破産管財人の選任と予納金の納付

少額管財事件となった場合には、破産管財人が選任されます。

破産管財人は債権者集会を開催したり、財産を処分し債権者に配当する役割を担います。

そして、破産管財人の選任後は、破産管財人の報酬となる予納金を納付することとなります。

 

⑤【少額管財】破産管財人との面接

破産管財人は弁護士から選任されるため、面接の日時に選任された弁護士の事務所にて面接を行います。

ここでは申立書の記載した債務額や財産などに誤りがないかの確認をされます。

また、免責不許可事由の有無や裁量免責の許否を裏付ける事情がないかについての確認も行われます。

 

⑥【少額管財】債権者集会

債権者集会にて、破産管財人が債務者の財産の調査の結果などを報告します。

基本的には債権者集会は1回で終了することがほとんどですが、この段階で破産者の財産の調査や処分などが終了していない場合には、再度債権者集会が開催されることとなります。

 

⑦裁判所での免責審尋

ここまでの手続きが終了すると、免責を認めるかどうかの免責審尋が行われます。

ここでは破産者が裁判所にいく必要があります。

問われる内容としては、氏名や住所に変更や誤りがないかであり、詳細なことまで聞かれることはほとんどありません。

 

⑧免責許可決定

免責審尋から1週間程度で免責許可決定が出され、その後免責許可が確定します。

この時点で債務が免除されることとなります。

債務整理手続きは弁護士 澤田 亘(弁護士法人穂高)にお任せください

個人再生と自己破産の場合には、裁判所に申し立てを行い、債務整理を許可するか否かの判断が行われるため、やや時間のかかる手続きとなっています。

 

弁護士 澤田 亘(弁護士法人穂高)は、任意整理、個人再生、自己破産の全ての債務整理手続きを取り扱っておりますので、お困りの方は一度ご相談にお越しください。

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経歴
  • 平成 5年
    兵庫県立姫路西高等学校卒業
  • 平成13年
    京都大学法学部卒業
  • 同年11月
    司法試験合格
  • 平成15年
    司法修習終了(56期)
  • 同年10月
    大阪弁護士会弁護士登録
    弁護士法人穂高 入所

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